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2024.01.31 RALLY

日野チームスガワラがトラック部門6位でゴール 大型車勢を相手に5年ぶりのシングルフィニッシュ

日野チームスガワラがトラック部門6位でゴール

大型車勢を相手に5年ぶりのシングルフィニッシュ
1月19日、ダカール・ラリー2024は最終ステージを迎え、サウジアラビアのヤンブを基点にしたループコースで174㎞のSS(競技区間)を実施。その後99㎞のリエゾン(移動区間)でビバークに戻り、ゴールセレモニーを開催して15日間の全行程が終了した。
この日のSSは砂地のワダチが中心。スピードに乗れる区間もあったが、走りにくいトライアルセクションや、砂の中に石が隠れていてパンクのリスクも高い場所もあった。終盤は路面が変わり最後は紅海岸へ。海岸沿いを走ってゴールした。

菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組が駆る日野チームスガワラの「HINO600 Series」は、このSSを落ち着いて走りだしたが、エア漏れのトラブルで10分ほど遅れ、トラック部門の16位でゴールした。
この結果により日野チームは今大会の累積順位でトラック部門6位の座を確定。2019年(部門9位)以来となるシングルフィニッシュを達成した。
ゴールセレモニーは、ヤンブの海岸沿いに設営されたポディアムで行われた。日野チームスガワラが登壇したのは4時半頃。ドライバー、ナビゲーターは日本から激励に駆け付けた日野自動車脇村誠CTOと壇上でがっちり握手をかわし、メカニックやチームスタッフとともに厳しいラリーでの健闘を讃えあった。

日野チームスガワラは、主催者のハイブリッドトラックに係る規則変更に対し、今回はここ2年間試してきたハイブリッドシステムをあえて外して参戦。これに伴い最終減速比を見直し、浅い(高い)ギア比を採用した。
これによりトランスファに内蔵されている副変速機をローレンジで走行出来る車速域が高まり、同時にローレンジではハイよりもギア比がクロス化するため、砂丘越えなど走行抵抗の大きな路面でギアの繋がりが良くなった。
この結果、中低速域の加速性能が向上。エンジンの高回転域を多用するため燃費は若干悪化したが、走破性への寄与は明らかで、砂丘ステージでの上位躍進に貢献した。
また、400㎏におよぶハイブリッドシステムを降ろしたことで車体の軽量化と駆動系のストレス軽減も達成された。
こうした改良の結果、今大会のHINO600 Seriesは、大型勢のライバルと渡り合えるポテンシャルを備えるとともにトラブルで競技中に停まる頻度が下がり、チームの上位躍進につながった。

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