工具コラム

2016.03.15
知っとかないTONE

第1回 トルクの基本編

工具に関する情報を分かりやすくお届けする【知っとかないTONE!】の連載企画がスタートします。
この連載を読んで、 皆さんもTONE工具マスターになってください。

第1回目は、「トルクの基本編」
そもそもトルクとは物体を回転させる力のことです。
「力のモーメント」、「回転モーメント」ともいいますが、特にねじ締めに関わる場合は『締付けトルク』といいます。

トルク(T)の大きさは,回す工具の長さ(L)と加える力(F)の積(FxL)になります。
図のように長さ1mのレンチに50N(約5kgf)の力をかけたときのトルク(T)は、
T=F(50N)xL(1m)= 50N・m(約5kgf・m)となります。
トルクの単位は、1993年に施行された「計量法」でSI単位(ISO国際規格)による「N・m」に移行し、それまで使用されていた
重量単位系のkgf・m、kgf・cmは現在使用できません。
ただし、例外として、ヤード・ポンド単位(非法定計量単位)製品については一部で使用が認められています。
なお,1N・mは0.10197kgf・mで,逆に1kgf・mは9.8067N・mです。
感覚的な目安としては 1kgf・mを10N・mと考えるのが理解しやすいでしょう。
例えば図の50N・mとは、1mのレンチに5kgfの力を加えることですが、力5kgfに対して1mのレンチは長すぎるので、

もっと実用的なレンチ長さのものを選定した方が良いということが感覚的に導き出されるのではないでしょうか。
長さの単位にkmやcmがあるように、トルクの単位にもkN・m(キロニュートンメートル)やcN・m(センチニュートンメートル)があります。
特に、cN・mは小ねじの締付けに使用されます。

1cN・m=0.01N・m または 1N・m=100cN・m

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