疲労の蓄積で競技中にトドメ【下田紗弥加選手】
チーム:Mercury 車楽人 VALINO
マシン:TAKUMI MERCURY サヤカSPL S15
日時:2023年6月24日(Rd3)、25日(Rd4)
於:筑波サーキット(茨城県)
リザルト:Rd3 単走予選敗退
d4 単走予選敗退
Rd.3&4 チームレポート
<6月24日(土) Rd3>
本番直前の練習走行で走れるのは3周となります。
その2周目になんとドライバーの下田紗弥加の首に激痛が走ります。 走行後一人ではマシンから降りられず、即医務室に運び込まれます。
サーキット常駐のドクターからは、外傷性頸部症候群(ムチウチ)と診断され、競技はリタイヤ届を出し、骨に異常が無いか、即近くの病院に行きレントゲンを撮るように指示されましたが、ドライバーはオープニングセレモニーなどを欠席し、安静にし、応援に来てくれた多くの方の為にも本番は走る事を選びます。
直前まで首周りを冷やし、固定をし、安静にして、何とかマシンに乗り込みます。
しかし、ひとりではレーシングスーツや、ヘルメットも装着出来ないほどの痛みが残り、さらに持ち味でもある「Reverse Entry」(ケツ侵入) は、進行方向や、
アウトに書かれているゾーンを目視する為、ドライバーは大きく首を動かさなくてはなりません。
かなりのハンデを背負ってしまいましたが、ドライバー下田紗弥加は「走るからには結果を出す」と言い残し、マシンに乗り込みました。
1本目・・・
ストレートを加速し、一気に1コーナーに飛び込みます。非常に良い飛び込みですが、2セクターに掛け、若干ドリフトアングルが戻りかけます。 その後の3セクター~5セクターもかなり良い走りを見せます。走り終えてから、得点が表示するまでの時間が長く感じます。
得点は・・・・なんと、2セクターが「0点」です!
それ以外は1セクターも29.9点 3セクターは満点の10点と98点台は十分に狙える得点ですが、まさかの2セクター0点!
ドリフトが戻ったのか? 解析も出来ぬまま2本目の走行に入ります。
ドライバーには、2セクターの得点を伝え、注意を促します。
2本目は、第一ゾーンを外すなどミスは出てしまいましたが、1セクターは先ほどより攻めてきて、なんと「30点」を超える走りを見せますが、2セクターはまたも
「0点」・・・、結果は追走トーナメントに残れませんでした。
審判団に後程説明を受けると、2セクターのドリフトアングルが付いていたとしても、1セクターからのドリフトアングルの戻る角度の量でDOSSが失敗と取るとの事です。1セクターの角度を付ければ付けるほどリスクが高まるとの事で、魅せる競技としてのドリフトとして多少の疑問は出ましたが、審査は審査なので次に繋げるしかありません。
2本本番を走った後、下田紗弥加は最寄りの病院に行きレントゲンを撮り、骨に異常が無いことを確認後、ホテルにて安静にし明日に備える事になりました。しかし、朝の練習走行最後の1本では、目標でもあった98点台が出ていた為、非常に悔しい思いと、首を動かせる状況ではないものの、最後まで攻めの姿勢を崩さないドライバーの強い意志に感銘を受けます。
1日でムチウチが治るとは到底思えず、医者からも安静を告げられているため、ドライバーの体調も心配しながら、明日に向けてマシン準備をおこないました。
<6月25日(日)Rd4>
予想通り、首の痛みは引くどころか、昨日よりも酷くなっているのを我慢しながらサーキット入りをします。
朝の練習走行も走りはしたものの、固定された首の影響で視界が狭まり、正直ベストの走りは出来ていませんが、ドライバーの強い希望により、練習走行後のオープニングセレモニーにも、昨日参加出来ずにファンの方に申し訳ないと言う事で参加し、何とかスケジュール通りに動いておりました。
本番もこの様な状況でしたので、残念ながら満足出来る様な走りが出来ず、追走トーナメントに駒を進めることは出来ませんでした。