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2023.09.29 MFJ

2度目のEWCボルドール24時間に挑戦。無事完走【TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW】

TONE RT SYNCEDGE 4413 BMWは、9月16〜17日にフランスのポール・リカール・サーキットで開催される『2023FIM世界耐久選手権(EWC)第4戦ボルドール24時間耐久ロードレース』に星野知也、綿貫舞空、奥田教介、吉田愛乃助を擁して参戦。

2023 FIM世界耐久選手権シリーズ最終戦ボルドール24 時間耐久レース
FIM ENDURANCE WORLD CHAMPIONSHIP
BOL D’OR 24hours Endurance Race
2023年9 月14 日 木 公式予選1 回目天候:晴れ

2023年9 月16 日 土)決勝レース スタート~17 日 日)ゴール天候:晴れ
開催場所:フランス ポールリカールサーキット(1 周=5.673km)

まずはボルドール24時間レース参戦にあたり、現地や日本で応援していただいたサポーターの皆様、
チームを支えてくださる多くのスポンサー企業様に心より御礼申し上げます。
世界耐久選手権シリーズの最終戦となるボルドール24時間耐久レース、12日(火)には午前と午後の各 2時間の練習走行が行われた。
星野選手を除く3人の若手ライダーはポールリカールサーキット初走行となり、日本には無いコースレイアウトに若干の戸惑いはあったようだ。
綿貫選手は周回を重ねると徐々に慣れてきた。奥田選手はマシン、コース、
タイヤ全てが初めての状況下での走行で情報の整理が大変な様子であったが、多くの周回数をこなす事により解消できた。
リザーブライダーである吉田選手はやや気楽な立場でもある為、ヨーロッパでの初走行を楽しんでいる様子であった。
そして2回目の参戦となる星野選手はこの走行で昨年の予選タイムを既に出しており、予選では更なるタ
イムアップを期待させた。
EWCのSSTクラスはUKダンロップタイヤのワンメイクレース、全チームが同じタイヤを使う。
予選結果 総合26位(SSTクラス11位) 1‘56.248(平均タイム)

9月14日(木) 公式予選1日目
エントリー台数は47台(SSTクラスは27台)、予選順位の決定方法はEWC全戦共通で各チームの登録ライダーが公式予選で記録したベストラップタイムのうち、上位2名の平均タイムを算出して順位が決定する。
日本から持ち込みのセットが良く機能しており、予選に向けて細かい部分のセットアップを予選前のフリー走行で星野選手が確認しながら詰めていった。綿貫選手、奥田選手、吉田選手は各20分づつ走行して全員が練習走行でのタイムを更新し、好感触を得て予選に臨んだ
予選開始は夕方、ブルーライダー星野選手の走行時にはトラックリミット(走路外走行)を取られてタイムが抹消されてしまう。その後システムの不具合という事が判り、抹消されたタイムは復活し、自己ベストを更新して1’56.190でSSTクラス9位(総合20位)。続くイエローライダー予選で綿貫選手は1‘56.514と見事に自己ベストタイムをマークしてSSTクラス7位(総合19位)。
そしてレッドライダー奥田選手は1’56.306の自己ベストタイムを出した後、コース上の混雑を避ける為にピットに戻る。その際に抜き打ちの重量測定が行われてそのままコースイン後、転倒してしまう。
序盤に出したタイムでSSTクラス7位(総合17位)、ライダーは無事だったがマシンは修復しなければならず、グリーン(リザーブ)ライダー吉田選手は温存していたメインカーで4周のみの走行となった。吉田選手は予選通過タイムをクリアして1日目の予選は終了した。そして夜間走行では星野選手がメインカーで4周した後、Tカーの修復を待ち、問題が無いかを確認する為に走行した。

9月15日(金) 公式予選2日目
2回目の公式予選は午前中、予選を通してタイヤ7本(前後両方含む)の制限が有り、1日目に新品タイヤを使い切った為ユーズドタイヤ(中古)で予選に挑んだ。ブルーライダー星野選手は1‘57.366でSSTクラス11位(総合25位)、イエローライダー綿貫選手走行時は、走り始めてすぐに赤旗中断があったが、集中力を切らさず再開後に出した1’57.476でSSTクラス11位(総合25位)。
レッドライダー奥田選手のセッションでも予選中盤に赤旗中断があったが、再開後の最後に刻んだ
1‘57.320でSSTクラス8位(総合20位)、グリーンライダー吉田選手は予選までしか走れないので、この走行がボルドールでの最後の走行となった。前日のタイムを更新し、2’00.656でSSTクラス13位(総合20位)この経験は吉田選手にとって貴重なものとなったと思う。
これにより予選1日目に星野選手と奥田選手が出したベストタイム平均は1’56.248となり総合27位(SSTクラス12位)から決勝レースを戦う事が決まったが、その後SSTクラス9位の#24がペナルティで繰り下がった事で、総合26位(SSTクラス11位)からのスタートとなった。
EWCのSSTクラスに参戦するヨーロッパの上位チームとの戦いは非常に厳しいものではある。
しかし、長丁場のレースでは速さを追求するのではなく、とにかくエンジンをいたわり最後まで走り切る事も耐久レースでは欠かせない要素となる。
午後に行われたピットウォークでは、多くのレースファンが、オールジャパンスタッフのチームに非常に高い関心を示してもらえている事が判った。日本のウチワは大好評で、ライダーがサインをして配布した、

9月16日(土) ~9月17日(日) 決勝レース WEATHER:晴れ COURSE:ドライ
決勝 SSTクラス10位(総合21位) 678 LAP 15:00スタート~15:00 ゴール
<スタート~8時間> ※選手名の後ろの数字はスティントの回数です
スタート前に雨が降り、スタート進行時には雨は止んでいたもののタイヤ選択が悩ましい状況となった。スタートライダーは星野選手、スタートグリッドではチームスタッフと記念撮影をしたりと和やかなムードでスタートを待った。
レインタイヤを選択してスタート、微妙なコンデイションに強い星野選手はポジションを上げてオープニングラップ15位(クラス6位)へとポジションアップ、一時は12位(クラス4位)になるも、コースが乾き始めた為10周目にピットイン、スリックタイヤに交換、給油をしてライダーは変わらずコースに復帰した。
星野選手②は徐々にポジションを上げて22周目には20位(クラス8位)を走行、ここで転倒車が出た為SC (セーフティカー)が出る。SC明けでSSTクラス7位争いを展開していたが32周目にピットイン、タイヤ交換と給油をし奥田選手に交代した。26位(クラス13位)でコースに出た後、ペース良く走り19位(クラス7位)で#44HONDA NO LIMITS、#33TEAM 33 LOUIT APRIL MOTO、#86PITLANE ENDURANCE - JP3とのポジション争いを展開。しかし54周目の最終コーナーで#44が奥田選手のイン側から接触、転倒してしまう。自走でピットに戻り、メカニックが修復作業に取り掛かる。給油、タイヤ交換を含み僅か11分でマシンを修復して綿貫選手がコースに出て行った。40位(クラス25位)まで落ちてしまったが、このスティントで37位(クラス22位)まで挽回し、星野選手③へ繋いだ。
間もなく4時間になるところで、星野選手は32位(クラス19位)で奥田選手②へ交代、給油とタイヤ交換をして安定したタイムで走り、31位(クラス18位)で綿貫選手に交代。 綿貫選手は30位(クラス17位)へポジションを上げるが、5時間経過時に54周目の接触転倒に対するペナルティストップ10秒が課せられ145周目にピットインをしてペナルティを消化。
152周目にピットイン、タイヤ交換と給油で星野選手④に交代、この走行でポジションを戻し(クラス17位)奥田選手③に交代、給油のみで順位を落とす事無くコースに復帰した。夜になると気温が下がりコースコンデイションも変化する中、レースは夜間走行に入った。
奥田選手はこの走行で28位(クラス15位)となり、7時間経過の200周目にピットイン、綿貫選手③
はタイヤ交換と給油で出ていき、3分の1となる8時間が経ち星野選手⑤に繋いだ。
<9時間~17時間>
星野選手はこのスティントで24位(クラス12位)までポジションを上げ、奥田選手④に交代、タイヤ交換と給油で26位(クラス14位)でコースに復帰するが、9時間を過ぎた頃には順位を戻す。
その後、奥田選手はピットインの周に転倒してしまうものの、マシンに大きなダメージは無かった為、最小限のロスタイムで綿貫選手④が出ていく。この時間帯はSSTクラス#30TEAM GT ENDURANCE、#97 ADSS 97とのポジション争いとなっていたが、2台の前に出て24位(クラス12位)を走行。
10時間を過ぎた297周目にピットイン、星野選手⑥に交代する。ここでタイヤ交換、給油以外にオイル補充、ブレーキフルード補充、マフラスティ交換を行った。
この作業により27位(クラス14位)となるが、11時間から13時間経過までの間に奥田選手⑤→綿貫選手 ⑤→星野選手⑦と繋ぎ、この走行でベストタイムとなる1’56.562をマークして23位(クラス11位)となった。夜が明けてきた14時間から15時間のスティントで奥田選手⑥→綿貫選手⑥は順位をキープしたまま走行し、443周目にピットイン、タイヤ交換と給油をして星野選手⑧が出ていくが、駆動系トラブルが発生し1周でピットに戻ってきてしまう。この対処に約5分かかり、 26位(クラス13位)にダウンするも、星野選手⑨ の走行が終わる頃には順位を戻し24位(クラス11位)で奥田選手⑦に交代した。
レースは17時間が経過し、491周目にピットイン、綿貫選手⑦に交代する際にブレーキオイル、エンジンオイル、タイヤ交換、給油を行った。

<18時間~24時間(ゴール)>
18時間を過ぎた時点でSSTクラスの順位争いは#30と#27 TRT27 BAZAR 2 LA BECANEとの11位を争う戦いとなっていたが、綿貫選手から交代した星野選手⑩、奥田選手⑧共にレースペース良くこの2台の前で24位(クラス11位)をキープ。レースは20時間を過ぎ綿貫選手⑧の走行がもう間もなく終わるところで、バックストレートエンド8コーナーでオイルに乗り8台のマシンが転倒、綿貫選手も巻き込まれてしまう。
再スタートを切り、ピットに戻りマシンを修復、オイル補充、タイヤ 、カウル、右ハンドル右ステップ、メーターステイ交換、給油等の作業を僅か16分でこなし、星野選手⑪がセーフティーカーラン中のコースに復帰、順位も大きく落とす事はなかったが、#30と#27には先行される形となった。星野選手走行終わりで23位(クラス11位)を走行していたが、転倒車両が出た事で再びSCが出る。
残り2時間半、この間にルーティーンピットストップで奥田選手⑨に交代、616周にSC解除後慎重に走行するも、スティント終わりでエンジンが止まってしまうトラブルが発生してしまう。約7分半の作業で最後のタイヤ交換をして綿貫選手⑨に交代、23位(クラス12位)から22位(クラス11位)へと順位を戻し、23時間を過ぎた660周にピットイン、最後はエースライダー星野選手⑫にマシンを託した。
星野選手は危なげなく走り、678周を完走、総合22位(SSTクラス11位)でチェッカーを受けた。
尚、レース後の車検により、7位でゴールしたSSTクラスのチームが失格となった為順位が繰り上がり
最終リザルトはSSTクラス10位、総合21位となった。
3人のライダーはほとんど同じようなタイムで走り高いパフォーマンスを見せていたが、チームにとっては多くの事が起きた24時間レースであった。
レーシングアクシデントやトラブルは無いのが理想ではあるが、基本あるものと想定し、それに対する適切な対応ができる事がチーム力。
鈴鹿8耐、ボルドール24時間を戦い抜いた中で確実にその力は上がっていると確信している。
次戦は、10/14-15に鈴鹿サーキットで開催される最終戦MFJグランプリ、好調な様子の星野選手と成長の跡が見える綿貫選手がどんな戦いをするのか楽しみでならない。

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