知っとかないTONE
第47回 意外と知らないボルトの強度区分編
普段から使っているボルトには、数字が刻印されていることを知っていますか?
この数字は強度を示す数値【強度区分】を示しています。
強度区分の表記
強度区分はボルトの強度を示す基準となる目印で、JIS規格で定められています。強度区分により適切な用途が異なります。知識を身につけて、ケガや事故がおこらないようにしましょう。
ボルトの強度区分は、頭に強度を示す数値で確認できます。
「3.6」「4.6」「4.8」「5.6」「5.8」「6.8」「8.8」「9.8」「10.9」「12.9」の10段階で分かれています。一般に鉄製のボルトは、強度区分4.8の物が多いです。
強度区分は、左右の数値で2種類の表現がされています。
●左側の数字:引張強さとは?
材料が破断するまでの最大荷重(N)を断面積(mm²)で割った値のこと
●右側の数字:降伏点とは?
材料に荷重をかけていき、あるところまでは元に戻るが、ある点を超えると伸び切ったまま元に戻らなくなる。その点のことを降伏点と呼びます。
たとえば、強度区分表示が「8.8」の場合、「8」は引張強さが800N/mm² 、「8」は引張強さの80%である「640N/mm²」が降伏点であることを示します。
豆知識
ステンレス製の強度区分は○○-○○(例A2-70)と表します。
左側の数字は鋼種区分を表し、右側の数字は強度区分を表します。
A2とは、ステンレスの鋼種区分となり、70は強度区分となります。
A2-70と表記されたボルトは、SUS304相当材で冷間加工された引張強さ700N/mm²になります。