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2024.10.18 SUPER GT

魔物が潜む菅生に翻弄された厳しいレース 2024年SUPER GTシリーズ第6戦 【Team LeMans】

VELOREX (Team LeMans)は、昨年に引き続き、SUPER GT GT300クラスに参戦する。4 年目となる今シーズンは、マシンをAudi R8 LMSからFERRARI 296 GT3に変更し、マシン名を「UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI」とした。一方、ドライバーは昨年同様、第 1ドライバーに片山義章、第2ドライバーにロベルト・メリ・ムンタンを起用。チーム体制も継続し、2023 シーズンを上回る活躍を目指す。タイヤは、これまでどおりヨコハマタイヤを装着する。

今シーズンのSUPER GTは更に予選方式が変更され、Q1、Q2のタイム合算方式は変わらないものの、GT300クラスの場合、Q1は全車参加で20分間のQ1を行ない、上位14台がQ2 Upper 14th)、15位以下がQ2 Lower 15thに分かれてそれぞれ10分間のQ2に挑む。予選順位はQ1、Q2の合算タイムで決まり、Upper14thでQ2を走行したグループの中からポールポジションが決まる。雨天の場合、スターティンググリッドはQ2を走行したドライバーのタイムで決められる。なおルール変更によりQ1、Q2で新品タイヤが使用可能となり、レースウィークを通じての使用可能タイヤセット数の制限があるため、昨シーズンにも増してタイヤのマネージメントが重要になる。(※今大会は悪天候で予選がキャンセルされたため、午前中の公式練習のタイムで予選順位を決定することとなった)

#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI
予選結果:24位(公式練習ベストタイム:1分37秒479/ロベルト選手:1分37秒479/片山選手 : 出走せず)

天候:雨
コース状況:ウェット
気温16℃(GT300クラスQ1開始時)
路面温度20℃(GT300クラスQ1開始時)
予選開始14時55分(GT300クラスQ1開始予定時刻) ディレイの末、中止

予選日は朝から冷たい雨が降り続き、気温17℃、路面温度20℃というコンディション。9時15分からSUPER GT第6戦の公式練習がスタートした。鈴鹿サーキットで開催予定であった第5戦が台風のため12月に延期され、第5戦から採用予定であった予選ルールが今大会から実施される。チームは前回のレースで問題となった暑さ対策を施してきたものの、むしろ肌寒いほどの気温は想定外の状況であった。天候が悪化して予選がキャンセルとなった場合、公式練習のタイムでグリッドを決定する旨が事前に通達されており、各チームとも雨の中、予選さながらのアタックを続けたことで合計5回の赤旗が出される荒れたセッションとなった。UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは走行開始直後からマシンのバランスが悪く、ロベルト選手が走行を続けるものの、赤旗のタイミングも悪く、満足なアタックができずにいた。そしてGT300クラスの専有走行でアタックに出たものの、バックストレッチでハイドロプレーニング現象が発生、コントロールを失ったマシンは馬の背コーナーのタイヤバリアに激突した。幸いロベルト選手に怪我はなかったものの、事故の衝撃が大きかったために念のため救急車でメディカルセンターへと運ばれ、公式練習はこの赤旗をもってすべて終了。チームは必死に壊れたマシンを修復し、予選開始時刻までに間に合わせたが、天候悪化のため予選はキャンセルとなった。公式練習の結果、決勝レースは24番手グリッドからのスタートとなった。

天候:雨/晴れ
コース状況:ウェット/ドライ
気温20℃(スタート時)
路面温度24℃(スタート時)
決勝レース開始14時22分 (正式スタート時刻14時22分00秒)
予定走行時間300km (正式フィニッシュ時刻16時33分57秒)

#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山&ロベルト選手)
決勝結果:リタイア(所要時間:48週消化/ベストラップ:1分26秒894=ロベルト選手)

第5戦鈴鹿大会が雨で中止となったために、実質的な後半戦の幕開けとなった第6戦スポーツランドSUGO大会は、週末を通して雨に翻弄され、タイムスケジュールの遅延が相次いだ。しかし主催者側の適切な判断で、なんとかウォーミングアップ走行が開始され、スターティンググリッドにマシンが並べられるころには雨もあがり、スタート直後には雲の切れ間から太陽の日差しが差し込む瞬間もみられるほど回復した。交通機動隊を先導としたパレードラップもキャンセルとなり、セーフティカー先導のもとに300kmのレースが無事スタートした。

24番手からスタートした片山選手は、セーフティカースタートでタイヤを温めながら集中力を高め、4周目にグリーンフラッグが出されると、濡れた路面にもかかわらずいつもどおりの好ダッシュを見せ、前を行くマシンを次々とオーバーテイクしはじめた。5周目に一気に18番手まで浮上すると、8周目には17番手へとポジションをアップしたものの、12周目の第1コーナーから第2コーナーにかけて彼をオーバーテイクしようとしてコースアウトしたGT500マシンがコースに戻ってきたタイミングで6号車に激突し、ピットロードまで押し込まれてストップしてしまう。大きくタイムロスしたが再スタートし、再び追い上げを開始。23番手までドロップするものの、ふたたび16番手まで挽回し、GT300マシンのアクシデントによって出されたセーフティカーによってピットクローズされ、再びピットが開放されたタイミングでピットイン。路面コンディション的にはやや早めのタイミングではあったが、乾き始めた路面に対しスリックタイヤを装着し、大逆転劇を狙ってロベルト選手をレースに復帰させた。ウエットタイヤが多数を占める中、いち早くスリックを装着したことでロベルト選手は順調にポジションをアップ。しかし遅いマシンを抜き去る際に接触して右リヤホイールを痛め、タイヤがバーストしたことで緊急ピットイン。タイヤ交換してコースに復帰するものの、片山選手のスティントでのセーフティカー手順違反に対してドライブスルーペナルティを受けることとなった。そしてロベルトが再度オーバーテイク時に接触をしてしまい、左サイドにダメージを受けピットに戻る。マシンはサスペンションにダメージを受けており、チームはドライバーの安全を優先し、苦渋のリタイアという決断を出した。今回のレースは無念のノーポイントに終わる結果となった。

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